電話はかけるな

今日は叔父の携帯に電話した。しかし出なかったのであきらめると、夜かかってきた。

いきなり「店の休みの日には電話をしてくるな。出ないからな」

といわれた。休みの日はパチンコへ必ず行くとの事で、電話が聞こえないからかけてくるな、というのだが・・・・・

といいつつ、電話をしてくるところが可愛かったりする。



病院で腫瘍マーカーが上昇したと言われたらしく、心配をしているようだった。「あくまで目安だから気にしたらダメだよ。それより、食べて体力をつけることの方が大切なんだからね」と答えた。

抗がん剤が始まると中々食べれないらしく、一応無理をしてでも食べるようにはするものの、限界があるらしい。そんな叔父に一応エンシュア リキッドやカロリーメイトのゼリータイプを薦めておいた。

無理にパンなどを食べるより、ある程度の栄養が取れるそれらのものを口にした方がいいのではないか、と思ったからだ。

とにかく抗がん剤の副作用に負けない体力をつけて欲しい。

 

お店のお客さんで糖尿病の人がいるらしい。その人に「病人と思えないあっけらかんとした明るさがあるな」と言われるらしい。叔父は「悩んでも治らないからな。悩むだけ損だぞ」と答え「お互いどちらが早くこの世から去るか競争だな」と付け加えたというから恐ろしい。

叔父らしいといえば叔父らしいが。。。。



話をするといつも思う。私は叔父が好きだ・・・・って。

今日も叔父は「声は前と変わらず張りが合って元気そうだろ?」と私の答えを確認する。

実は少し元気の無い声をしていた。私はそれでも「本当に病気なの? って声だよ」と答える。

一時間半ほど話したが、途中から本当にいつもの叔父の元気な声に戻っていった。

 

それから、今の主治医がなんと私の家の近くの総合病院に勤めていた経緯があるらしい。出身が我が家の隣の県でその近くで叔父は若い頃床屋の修行をしていた。

もしこちらに戻る事があるならその病院の先生を紹介する、と言っていたらしい。

叔父もその偶然に驚き、そんなこともあるもんだな、と喜んでいた。



偶然という言葉は時に不思議で、大して影響はないのに喜びを感じたり安心感を覚えたりするものだ。

叔父の身内は近くには一人もいないし、きっとそういう偶然から親近感を抱き、信頼をよせ、そして治療によい影響を与える、と、そんな期待をしている。



どんな状況でも叔父の永遠の応援団長だと、伝え電話を切った。

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