から揚げ

郵便局の隣にコンビにがある。数日前、郵便局へ行った帰りに2匹と一緒に歩いていると、前を歩いている青年2人の後ろをさくらが興味ありげについて歩いていく。私の弟と間違えているわけでもなさそうだし、一体なんだろ?

すると、プーンとから揚げのおいしそうな臭いが。この青年達はコンビにでから揚げを買って食べながら歩いていたのだ。

しかし、青年2人はさくらに気がつかない。当たり前だ。足首からこぶし一つ分を足した程度の高さしかない高度の低さと、足音がまるでしない小ささを兼ね備えたさくらが、歩いている人の後ろにいても気づけというのが無理な話だ。

賢いさくらは急に早足で歩き出し、青年2人の前に回りこみ必死に「私はここよ。から揚げ頂戴って言ってるの。早く気づいてよ」とアピール。さすがに青年2人はさくらに気づき、立ち止まった。「可愛いね~。ん?僕の顔見てるけどどうした?」と言う。

「すいません。うちのさくらがあなたの食べているから揚げがおいしそうなので欲しがってます。あげてくれませんか?」なんて言えるだろうか? 「私の弟に似ているから間違えているのかもしれません」と誤魔化したが、私の弟にしては若すぎる。少々失礼だったか? が、そんなことは構っちゃいられない。

「さくらのオニイチャンじゃないのよ。こっちおいで」と言ってみる。あ、オニイチャンというのは私の弟なのだが、彼は腹の出たおっさんになりつつあるが自分で若いと思っているのでさくらの兄というポジションをしぶしぶ与えた。そのポジションに彼は満足しているようだが、私個人的にはオジサン、と呼ぶ方が適していると思っている。

話を戻すと、さくらは青年2人の前を歩きなんとか歩きを止めようとしているようで、仕方なくその青年達も足を止めた。すると「なんだかものすごく欲しそうな表情しているんですが・・・・」というではないか。

おい、さくら!!!! 失敬だぞ。人のものをタダで頂こうと思っているようだが、世間ではそんなに甘くない。他人がお金を払って購入した商品を後ろからつついて、「それ頂戴」って言ったとしたら「ふざけるな。自分で買えよ」と言われるか、少々活気のあるタイプの人だったらパンチを食らってノックダウンだ。

「いいんです。無視してください。美味しい臭いにつられているだけですから」と言ったが、一つぐらいくれたっていいじゃないか? と思ってしまう自分が怖い。

とにかく、先に歩いて行ってもらおうとしたが、「可愛いよなぁ。憎めないよなぁ」と青年二人は会話をしている。当たり前だ。私のさくらだぞ。可愛いに決まってる。

しかし、

人を選ばず、欲しいものを欲しいと要求し、尻尾を振り愛想を振りまくその姿はなんとも恥ずかしかった。

とりあえず、このことはさくらが純粋だということにしておこう。。。。。。

 

category: 
blog tag: 

コメントを追加

Plain text

  • 使用できるHTMLタグ: <a> <img> <em> <strong> <cite> <blockquote> <code> <ul> <ol> <li> <dl> <dt> <dd>
  • ウェブページアドレスとメールアドレスは、自動的にハイパーリンクに変換されます。
  • 行と段落は自動的に折り返されます。
画像
ファイルは 2 GB 以下のサイズでなければなりません。
利用可能な拡張子: png gif jpg jpeg