学校

今日、学校の番組を放送していた。しっかりとは見られなかったが今は大人になった人たちが学生だった頃の話などがメインだったみたいだ。

私にも心に残る先生がいる。

小学5年、6年生の担任の先生でいわゆる破天荒というか、元気のいい先生だった。ある給食の時間、一人の生徒がはしゃいでいて羽目を外した。その姿を見た先生はぶち切れて食べていた給食をその生徒の背中に投げつけた。これが見事に背中のど真ん中に命中。

翌日、皆の前で「いいか、いくら頭に来ても給食を投げつけてはダメだ。もちろん他のことでも、やりすぎることはいけないんだ。僕は昨日S君の家に行きご両親に謝ってきた。やりすぎたと反省している。S君、ごめんな」と言った。クラス全員がその先生の話をじーっと聞いていた。ちなみにその生徒は我が家の近所の子供で、今はとても立派なお父さんになっている。

本当にめちゃくちゃな先生で、私達は皆で学校の帰りに先生が立ち寄っていた喫茶店に押しかけご馳走になったりした。翌日「生徒を喫茶店に入れるなんて何てことだ!!!と校長に叱られちゃったぞ」と生徒にこぼしたりして、なんというか今考えると想像できないようなタイプの先生だった。でも、すごく人気があり先生の家に遊びに行ったり、一緒に遊びに出かけたりもした。

しかし、楽しかった先生との日々は突如切られてしまう。

小学6年の夏休み。



「先生が亡くなった」と連絡が入ったのだ。夏休みを利用して旅行をしていた最中の出来事だった。

亡くなった原因は、交通事故で頭を打ったことがありしばらくは元気にしていたのだが、その事故が原因だということだった。本当に何の前触れもなく天国へ旅立った。

確かに先生は「せっかっく車を購入したのに、ドライブをしていたら川に転落し車が廃車になった!!!!」とその日のことを私達に話していた。

頭が痛い、と頭を抱えていたという噂を聞いたりしていたが、この時こんな悲劇になると誰が想像しただろう。。。。。

生徒全員は親たちとともに葬儀に参列した。どの生徒も泣いた。とても悪くていつも先生に叱られていた生徒が涙を抑えきれないのか、悔しさを隠し切れないのか、きつく握ったこぶしが震えていたのを今でも覚えている。

卒業式の日、数名が代表で先生のお墓へ報告をするということになっていた。

先生が「代表で行きたいやつは手を上げろ」と言った。残りがあと一人、というところで誰も手を上げなかった。何事にも積極的な生徒ではなかったが、この時手を上げずにはいられなかった。私でいいのだろうか?という疑問を持っていたが、先生のお墓の前でその疑問は涙と一緒に流されていくのを感じた。

小学5年生のときだったと思う。作文大会のクラス代表に選ばれた。私は先生が私の作文を選んでくれたことがとても嬉しく、先生のためにも頑張ろうと思った。何度も先生の個別指導を受け、あの喫茶店でジュースをご馳走になりながら作文を読む練習をした。

しかし、あがり症の私は時間内に読むことが出来ず、予選で落ちてしまった。この想いが私に手を上げさせたのかもしれない。

いつかもう一度あの先生のお墓へ行きたいと思いながら長い年月が過ぎてしまった。しかし、私の心の中には忘れることなく存在している。そして、生涯忘れる事はないだろうと思う。

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