カメラが無くても心に映った光景

今日は用を済ませるために市役所等へ出かけた。もちろん途中の公園で遊ばせるため2匹を連れていった。前に言ったとおりカメラは持っていかなかった。



すると、その公園でダックスを発見。どうやら男の子らしい。活発なダックスを連れて歩くには大丈夫か?というおばさんとおばあちゃんの中間といった感じの女性が連れていた。

ところが、その女性とダックスは我が愛犬に近づいてくる。この男の子が暴れたらどうするんだ?

しかし、「可愛いですね。うちの子はワンちゃんが平気なんですが、その子達は大丈夫かしら?」と声をかけてきた。「残念ですが、苦手な方なんでお友達にはなれないかもしれません」と答えると「あら? うちの子にそっくりの子ね? 今まで何匹もダックスを見てきたけどこんなにそっくりな子に会ったのは初めてよ」とさくらを見て言う。

良く見ると、さくらに似ていると言うより恭平にそっくりだった。毛の色は少し黒いが、表情や首の角度、背中のラインまで似ている。

意外なことにうちの2匹もあまり嫌がらず臭いをかいだり、一緒に歩いたりしていた。

「うちの子が性格がいいから、遊べると思ったのかしら?」と言って私を驚かせたが、

その女性はこの子にひたすら愛情をかけているようで、それが伝わってきた。

そして、美男子だとか、賢いだとか、さらに他の人たちにも性格がいい、無駄吼えしなくていい子だとか、ほめられるらしい。

確かにこの子は全く吼えない。ちなみにうちの子も吼えない。

すると、「この子は老人ホームに連れて行ったらセラピー犬として皆を癒してあげれると思うのよ」とまで言い出す。余程可愛いのだろう。

他の犬とも絶対に喧嘩をしないし、とても友好的な性格らしく、お友達犬も多いらしい。数匹のわんこが通りすがったが、うちの2匹は私に抱っこをせがみ隠れようとしているが、この子はちゃんと挨拶に行き、少し遊んでさっさとこの女性の所に戻ってくる。

確かにいい子だ・・・・

すると、「正確には私の犬ではないんですが、ここには毎日散歩へ連れてくるんです」と言った。待てよ。この子の名前はチャッピーだ。そして、恭平とジュディーの子供、つまりさくらの弟も確かチャッピーだ。おまけに日中は仕事があるので、家の隣に済む身内に面倒を見てもらっている、と言っていた。自宅もこの辺りのはずだ。。。。。。

思い切って自宅の場所を聞いてみた。

やはり恭平とジュディーの息子であると判明。

お互いに相当驚いた。

さくらにそっくりとはじめに言われなかったら素通りしていただろう。この女性に声をかけられなかったらこのダックスを避けていただろう。いや、本当に出会えてよかった。

早速、いつもどおり撮影、と思ったらカメラが無い。。。。。。

マジか? すごい悔しい!!!! カメラを持たないと決めた途端にこれだもの・・・・・

やはりカメラは常時携帯することにしようと思う。



それにしても、恭平の若い頃を見ているようだった。セラピー犬になれるほどか?という疑問以外は、この女性が言う事と私が恭平のことのと言うのとほとんど同じと言っていい。

恭平もこうして散歩で出会ったわんこと友達になり、気が済むまで散歩を楽しみ幸せそうに走り回っていた。

もう一度恭平に会いたいとすら思っていた私にとっては、チャッピーに恭平の姿を見た喜びはとても大きかった。



それにしてもチャッピーがこんなに可愛がられて、そして元気でいてくれる姿はなんとも言えず幸せだった。そして次に会えるかどうかは別にしてもこの子を大事にしたくなった。ずっと元気で長生きして欲しいし、この女性にもチャッピーと共に幸せであって欲しいと願った。

ふと、今ある命が幸せであるように、と願う事が大切なのかも、と思えてきた。

 

実は、私は今でも恭平の遺骨を持っている。そろそろペット慰霊碑に納骨すべきか、と悩んでいる所だった。しかし、どうしてもそんな気にはなれない。

それは、いつまでも生きている恭平の姿を追っていただけなのかもしれない。

記憶を頼りに、側にいると思い込ませる事で”戻ってはこない”現実から逃げていたのかもしれない。

きっと私は大切にする方法を間違えていたのだと思った。

恭平の姿を投影させ、追ってみたところでそれは私の未練にすぎない。

いくらさくらに恭平の姿を見ても、さくらの幸せを願う事にはならない。

 

恭平は旅立ち、空から私達の幸せを見届ける役目をもらった。

私はジュディーとさくらが今まで以上に幸せに過ごし、

チャッピーもずっと幸せで、

私も、ジュディーとさくらと共に幸せである事・・・・・

それを、空から見ている恭平に伝えようと思う。。。。。。。

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