あの時の真実

妙に恭平のことを思い出す今日この頃・・・・・

4年の月日が経つのだけれど、それでも恭平は私にとっては大切な愛犬で、必要な存在なんだな、って思う。

 

自分のホームページに記録として残した中で、一つだけ書かなかった”あの時の真実”がある。

 

最近は、スピリチュアルなどという言葉が流行ってきて、時々私もそのような番組を見ることがある。そんな今だから言ってもいいのかな、という気になってきて”あの時の真実”を少し書き残してみようと思う。

馬鹿らしい、と思いながら読んでください。



ちょうど恭平が最後に病院へ行った時、獣医師が「あと数日」と私に伝えた。私はショックを受けたけれど、それでも出来る限り恭平を抱きしめようと心に決めた。

その日は、母が父の病院に付き添ってて私と恭平とジュディーとさくらしか家にはいなかった。

病院から帰り、リビングのソファでずっと恭平を抱きしめ、体をなぜていた。

私は恭平に今まで一緒にいられて本当に幸せだった、という気持ちがこみ上げてきて、涙があふれて止まらなかった。

そして、恭平が子供の頃世界一幸せなワンコにするぞ、と誓ったけれど、恭平はその通り幸せに過ごしてくれただろうか、と一緒に過ごした時間に思いを巡らせていた。

そして今、病気になっても、懸命に生き、私を気遣い必死に病と闘った。「本当に頑張ったね。強い子だよ」と語りかける。

反面、辛い闘病をさせてしまった悲しみは私を苦しめ、恭平をさすってもさすっても助けられない自分を責めていた。

でも、恭平はそっと「僕は頑張ったから」と言っているようなそんな感じを受けた。

とにかくこの最後の数日は、何もしないで恭平を抱きしめていよう、と心に決めた。

その時、誰かが後ろから「朝方だぞ」と私に話しかけた。

もちろんだれもいない。振り返っても見えるのは壁。

しかし、はっきりとしたその声は今も残っている程明瞭で、男性であることもはっきり分かるほどしっかりした声だった。

私は、恭平は明日の朝方、天使になって旅立つのだと理解した。



そのため、その日の夜は、ウトウトとしたものの、夜中の3時ごろから起きて、恭平をさすっていた。4時半ごろ、ぐったりする恭平を抱きしめた。その30分後恭平は天使になった。

 

その声が聞こえていなかったら私は恭平の旅立つ瞬間には寝ていた。数日間、ほとんど寝ていない状態だったし、疲れも溜まっていたからだ。

その声が聞こえていなかったら私は恭平が天使になって気づかずに寝ていた。私に看取られることなく、一人で旅立っていたに違いない。

その声が聞こえたから、私は恭平を抱きしめ私の腕の中で天使になったのだ。



セレモニーホールの担当の女性にはそのことを伝えていた。滝行をされた方で、私の見えないものが見えて、感じられないものを感じる女性だ。

「あなた達のつながりが深いから、教えてくれたんです。決して不思議なことではありません。当然のことです。だから、恭平君を最後の最後まで見守ることが出来たし、恭平君もそれを望んでいたんです。恭平君は本当に幸せだったんですよ。良かったですね」

と答えてくれた。



この不思議なこの出来事は、ずっと言えずにいた。

あるはずの無い出来事で、言うことも恥ずかしいと思っていたし、妄想だと思おうとしてきた。

でも、何か吹っ切れた感じがあって、こういうヘンなこともあるんだと、話せるようになってきた。



最後に・・・

恭平が天使になった時間と同じ時間に父は旅立った。

父が旅立つ日の夜「恭平と同じ」と誰かが話しかけた。

この時のこの言葉があったから、私は父を4時半からさすっていた。

そして、父は私にさすられながら天国へ旅立った。

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