母が以前沖縄へ一緒に行った友達が急に亡くなられたそうだ。

旅行から帰ってきて、しばらくは元気だったらしいが大腸がんが見つかり手術をして、抗がん剤治療をされていた。しかし、急に様態が悪くなり入院後直ぐのことだったらしい。

この方は、子供が小さい時に離婚をされてそれからずっと病院で補助婦をして子供を育てた。そして、定年を迎え自分の趣味の裁縫が出来るマンションを購入し、車も真新しい車にして、ドライブを楽しんでいた。

長い間、体力的にも大変な仕事をしてきたので、やっと羽が伸ばせると人生を伸び伸びと過ごまだまだ人生これからだと思っていた矢先の出来事でご本人も大変悔しがっていたらしい。

確かに残念ではあるが、我が家に現像をした沖縄旅行の写真を持ってきた時に見せたあの楽しそうな笑顔は幸せそのものだった。人生今が一番幸せ、と旅先で母に漏らしていたらしいが、それほど幸せな時間を過ごせたこの方は充実した人生だったのかもしれない。

人生、何を楽しみ、何を生きがいにしていくか、それは人それぞれだけれど、不平不満ばかりで日々を過ごすより、例え数年間という短い時間でも「幸せ」を実感できる時間を持てる事のほうが充実しているといえる気がする。

当たり前のことだし、分かっているつもりでもこういう出来事が無い限り、不平不満だけが前面に出てきてしまうものでもある。

あの笑顔のまま、安らかに眠って欲しい。