煩悩の犬は追えども去らず

まとわりつく犬は何も我が愛犬達だけではないようで、もともとまとわりつくから追い払おうとしてもまとわりついてくるのが本当の意味で犬らしいのかもしれない。

人間は煩悩(一切の欲望・妄念)に支配されて生きていて、悟りを開こうと思ってもまとわりつく犬のごとく離れないものだ。

犬はどうか?

一見純粋に飼い主にまとわりついているようで、案外そうでもない。煩悩に支配された時の犬はたとえ地震があっても気づかず、ご主人様が呼んでも聞こえないフリをするほどしっかりまとわりついているようだ。その辺り人間と変わりない。



ある日、まとわりつかれてうっとうしいぐらいに思っていた。散歩へも連れて行けとしつこいし、私の側から離れない。「んじゃ、撮影もさせろよ。連れて行ってやっから」と愛犬どもを脅迫してからカメラと共に出かけた。

んで、撮影をすると、横は向くし、あさっての方へ行ってしまうし、可愛い表情だ、それシャッターと構えた瞬間にブサイクな顔をするし、全く勝手な犬達だと不機嫌になった。

でも、帰って来ると又私にまとわりついて、「じゃかーしー。あっち行け」と言いたくなるほどであった。

んで、夜。

牛筋というおやつがあるが、寝る時にかじりはじめた。布団の上でかじられるとヨダレがつくのであっちで食べなさい、と言っても聞こえないフリ。

「さくら、もうカジカジ止めて寝なさいよ」と言っても無視。煩悩の仕業か?

なら、こっちにも作戦がある。カメラを直ぐそこで構えたらきっといやな顔をしてカジカジを止めるだろう。

 

あれ?気づかないのか?

場所を変えてもう一度。

 

ドアップですな。でも動じない。

 

おまけにかじった牛筋の臭いまでかいでやんの。

 

 

そろそろ飽きたらしい。いや、満足したのか? 壁を見つめて思いにふけっているようだ。

 

っていうか、勝手だよね、さくらちゃん・・・・・・・・・・・・。

 

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