年をとるということ

さくら

 

先日、車で走っていたらゴールデンを散歩させているオバサンを見かけた。ちょうど、小さな通りから大きな通りへ出るところで車を待っていたその先を、ノロノロと歩くゴールデンが目に付いた。

いかにも年を取っていて目も悪いのか顔を上げて歩くことが出来ないようで、じっと道路を見つめながら歩く。そして、ノロノロしているのが腹立たしいのか、連れているオバサンはそのゴールデンのリードをぐいぐい引っ張る。

「立ち止まりたいほどなのに、どうしてそんなに急ぐの?」とでも言いたそうに彼なりに必死に歩いて着いて行こうとしていた。

とうとう途中で立ち止まったかと思ったら、後ろ足でおなかの辺りを掻いている。少しの間恩着せがましく立ち止まったものの、すぐに引っ張られてかゆいのにかけない、辛い表情を見せた。

年をとってしまったから仕方がないのかな、と腹が立つところをそう言い聞かせていた。

そして、しばらく車の途切れを待ち、やっと大きな道路に出れた時、対面を歩いていたそのゴールデンに近づいた。

なんと、体のあちらこちらに毛の抜けた部分がありどうやら、そういう部分がかゆいみたいだ。

皮膚病なのか何か判らないが、あまりに哀れな姿にその犬に同情した。



いや、しかし、このゴールデンはそれでも幸せなのかもしれない。若い頃はきっと楽しい生活だったかもしれないし、家族も可愛がったに違いない。

そのオバサンもたまたま急いでいただけかもしれない。でなければ、わざわざ散歩には連れて行かないだろう。

絶対にそうだ。今も可愛がられているに違いない。皮膚病ももっとひどかったのに、やっとここまで良くなったのかもしれない。

だから、このゴールデンはそれでも幸せに違いない。

そう自分に言い聞かせることにした。

それは間違っているかもしれないが、他人には入り込めない事だってある。

いくら人が飼っている犬を捨てるからと言って、それら全てを引き取って幸せにできるわけではない。

どんな形であっても最期まで面倒を見てもらえるだろうこのゴールデンは幸せなのだと思うことも間違ってはいないと思う。

ただ、もう少し・・・・・もう少しだけ思いやって欲しかったな。。。

と、思った。

 

振り返ると、自分の愛犬たちを幸せにしているだろうか?

いや、幸せに違いない。こんな平和な顔して大あくびするんだから・・・・

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