花見

昨年まで、さくらが満開になっても心が動かなかった。

きれいなものをきれいと感じることや、いい音楽を聴いて心がなごむとか、映画を見て感動をするとか、当たり前のように思っていたけれど実は違うのではないかって感じる事があった。

今日は、2匹を連れて公園へ出かけた。さくらが満開でとても綺麗だと感じた。車を止めてしばらくさくらを見つめた。あいにく雲の多い一日だったが、それでもさくらからすかして見える空を仰ぎ、2匹のことを忘れるぐらい引き寄せられる気持ちになった。

そして、ふとしばらくの間、そんな気持ちになったことがなかったことに気がついたのだ。

多分、恭平と父がいなくなってからだろう。

どうしてそういう気持ちにならなかったのか判らないが、きっと”なれなかった”だけなのかもしれない。

しかし、今、さくらを綺麗と感じ、空を仰げる自分は平和な気持ちになれている、というのは間違いない気がする。

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